耐震偽装と報道責任

 - 本当のことが知りたいんで...耐震偽装と報道責任にタックルしちゃおうかな、と
 
 

■□ スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--/--(--) |  スポンサー広告  []

 
 

 
 

■□ 『藤田社長が二度目の連絡をしなかったら、・・・問題点は闇に葬られていただろう』(建築紛争, 岩波新書)

今日、本屋さんで耐震偽装関係の本を探していたら、岩波新書の最新刊をみつけました。

題は『建築紛争』。副題がついています。「行政・司法の崩壊現場」。著者は、五十嵐敬喜さんと小川明雄さん。五十嵐さんは弁護士、小川さんはジャーナリストとことです。2006年11月21日第一刷発行。

さっそく、購入しました。

まだ、ざっと目を通しただけですけど、ここ1ヶ月の間に読んだ耐震偽装関係の本の中では、ベストスリーに入ることは疑いなし、と予見しています。

いくつか、引用します。最初は『読者へ-まえがき』からです。

イーホームズ以外の多くの民間機関や、多数の自治体も偽装物件を大量に見逃していました。

[引用開始]

読者へ-まえがき

2005年11月に国土交通省が発表した耐震強度偽装問題は、全国に衝撃を与えました。
それから、一年たったいま、政府、なかんずくこうした事態にもっとも責任を負うべき国土交通省は、自らの責任を取らないまま、構造計算を偽装した姉歯秀次一級建築士の免許を取り消し、また、問題を最初に告発したのに、多くの偽装を見逃していたとして民間の建築確認検査機関(以下、民間機関)のイーホームズの指定も取り消すなどしたうえ、耐震強度が基準の半分以下のマンションの取り壊しや再建に若干の援助をするという方法で、事件の幕引きを図っています。

しかし、偽装問題は、姉歯氏やイーホームズだけの問題ではありません。第二、第三の姉歯氏が登場し、イーホームズ以外の多くの民間機関や、多数の自治体も偽装物件を大量に見逃していました。偽装にかかわった建築士たちによる構造計算書は大量に行方不明になっているか、あるいは破棄され、発覚した偽装物件以外の無数の構造計算書は再計算されないまま、闇に葬られようとしています。

[引用終了]

著者のお二人は、「なぜ最初に告発したイーホームズだけが取り消しなのか」という疑問をお持ちのようです。(個人的には、疑問というより、義憤と言い得るかもしれしれないな、とも感じます。)

「構造計算書は大量に行方不明になっている」というフレーズからは、一昨日の日記に書いたUR都市機構の構造計算書紛失の記事を思い出しました。

さて、次は『第一章 日本が危ない-耐震強度偽装問題の構図』の「不可解な対応」(Pp.3-5)から引用して、ご紹介しましょう。

藤田社長が二度目の連絡をしなかったら、偽装問題とそれをきっかけに噴出した政府の都市計画法や建築基準法をめぐるさまざまな問題点は闇に


[引用開始]

不可解な対応

国土交通省は、全国を震撼させた偽装問題を発表し、責任を問う声の矢面に立たされだが、もしかしたら、この建築紛争もいつものように闇に葬られる可能性さえあったのである。

偽装問題が国会でも取り上げられるようになり、議員らの追及を前にして、国土交通省は、衆議院国土交通委員会に「イーホームズ(株)と建築指導課のやりとり」と題する文書を提出した。

その核心部分の前半はこうなっていた。2005年10月26日10時50分の藤田東吾氏(イーホームズ社長)から建築指導課沼倉係長へのメールである。

当社に申請され確認処分を下ろした物件(共同住宅)について、構造計算における認定プログラムの計算書が設計者により意図的に改ざん(偽造)された事実が発覚しました。事態が重要ですので特定行政庁に通知する前にご報告に伺いたくお願い致します。


では、国土交通省はどう対応したのだろう。同省の報告書によれば、同日23時55分に沼倉係長は、藤田氏(および建築指導課高木係長)に次のようなメールを送っている。

イーホームズ社長藤田様 ご連絡いただいた下記の件につきまして、課内で検討いたしましたが、当方としては、本件は申請者と貴社との問題であるとの認識で一致しました。したがって、本件につきましてしは、当方に対してご報告いただく必要はございません。

繰り返すが、イーホームズの藤田社長は、耐震強度偽造を確認し、建築行政の総本山である国土交通省に報告し、詳細を説明するために訪問したい、というメールを打ったのだ。まさに、建築基準法の根幹を揺るがす情報だった。

[引用終了]

約一年前、耳を傾けるべき見解は、建築指導課の見解ではなく、藤田さんの見解の方であった。

「本件は申請者と貴社との問題」という判断は明白なマチガイでした。建築基準法からこの結論は導けません。実際、最高裁判所第二小法廷は、平成17年06月24日に、「確認検査機関がやった行為でも、その法的責任は地方公共団体にあり」という決定をしています。

藤田さんも、沼倉係長からのメールを読んで、たぶん、「な、な、な、な、な、なんと、」と「「ビックル」して「鼻血ブー」だったのでしょう。粘り強く、もう一度、問題の重大性を訴えます。

『建築紛争』から、引き続き、引用します。

[引用開始]

藤田社長は翌日の27日に、担当の住宅建築指導課に再度メールと電話で「この問題は建築確認業務の範囲にとどまらず、構造計算の国土交通大臣の認定プログラムや不動産業者あるいは設計事務所の免許にかかわる問題だ」と改めて事態の重大性を力説した。

・・・・

もし、藤田社長が二度目の連絡をしなかったら、偽装問題とそれをきっかけに噴出した政府の都市計画法や建築基準法をめぐるさまざまな問題点は闇に葬られていただろう。

[引用終了]

以上から、この著者のお二人が、いかに、藤田さんの告発を高く評価しているかが伺い知れます。そして、藤田さんが建築指導課にメールを送った一年後の今、多くの人が、お二人の意見に同意するはずです。

約一年前、耳を傾けるべき見解は、建築指導課の見解ではなく、藤田さんの見解の方であった。これは明確な事実です。

2006年初冬の我々の最優先課題は、藤田さんの告発の科学的検証に全力すること

2006年秋、藤田さんは、また、新たな見解を、記者会見で公にしました。

もちろん、その真偽は、まだ、明らかではありません。ある人たちは主張しています。「藤田さんの話は耳を傾けるに値しない」と。しかし、彼らは、それをきちんと証明し、その証明と具体的な証拠を開示したのでしょうか。それはなされてはいない、と思います。そうであるならば、やはり、私たちは、一年前の藤田さんの実績を思い出すべきでしょう。少なくとも、彼の話に真摯に耳を傾け、彼の言い分を検証してみるべきなのです。

かくして、管理人はこう主張したいと思います。

2006年初冬の我々の最優先課題は、藤田さんの属性を非難することではなく、藤田さんの告発を科学的に検証することに尽きる、と。

「第5章 裁かれる裁判官-「良心」を忘れた司法」も必読

この本、他にも読み応え満載です。

たとえば、「マスメディアの病理」「記者クラブ」「「後追い」「判決待ち」」ではマスメディアの問題点容赦なく抉り、「第5章 裁かれる裁判官-「良心」を忘れた司法」では行政訴訟の課題に鋭く踏む・・・・

なのに、新書なので、たったの819円(780円+消費税)。

やばいです。
すごいです。
とにかく、購入するしかないっす。

読めば、「な、な、な、な、な、なんと、」と目から鱗。「ビックル」して「鼻血ブー」。びっくりしゃっくり。疑いなし。

本の紹介は、例えば、ここです。
https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0611/sin_k329.html

歴史的文書「イーホームズ(株)と建築指導課のやりとり」pdf ながつま昭公式HPでゲット!!

なお、歴史的な文書「イーホームズ(株)と建築指導課のやりとり」はここにあります。

ながつま昭公式HP「衆議院国土交通委員会 長妻昭 参考資料 全9ページ」(2005.12.5)
http://naga.tv/051221sankousiryou.htm

TB送信先
Blog『頑張れ藤田東吾』


斜体文
スポンサーサイト

2006.11/27(月) |  未分類  | Comment(3)  []

 
 

* COMMENT *

 
 
 
 
 
    
 *   管理者にだけ表示を許可する

■□ 早速購入して読んでみます。

From : スパイラルドラゴン #- / URL -  2006.11・29  [edit]

こんにちは。
「建築紛争」は、中々良い本のようですね。
早速購入して読んでみます。

■□ 

From : 管理人 #- / URL -  2006.11・29  [edit]

スパイラルドラゴンさん、こんにちは。

岩波新書「建築紛争」はとても勉強になりました。かなりショックでしたけど。今のとこ「耐震偽装」(細野透, 日本経済新聞社)と双璧です。

「耐震偽装の政府責任」(辻山幸宣編, 公人社)に掲載の4つの判例もたいへん参考になります。

■□ 五十嵐敬喜さんと小川明雄さんの本

From : 建つ三介 #- / URL -  2006.11・29  [edit]

五十嵐・小川両氏の岩波新書『都市計画 -利権の構図を超えて』1993年刊も良い本です。 
「ブックオフ」でも105円で手に入るかも、10年以上も前の本ですから。
特に注目すべき点は、p105-9とp141。

前者(特にp109)は、中曽根政権時の容積率緩和を扱っています。中曽根首相が『国有地を民間に払い下げて』政治献金をせこく稼ごうとしたのに対して[それでも1-10ha掛ける数百箇所だからまあ良い金にはなるけど]、建設省の役人らは全国の容積率を大幅アップするという手法(高い建物が建てられるようになり、その土地の資産価値が上がり、地上げが横行)で、巨万の土地バブルを可能にした。時の首相より、昔ながらの官僚機構の方が、やることもはるかに大きく、儲けも桁違いということ。当然多くが天下ったでしょうね。

後者は、90年代に(もちろん今もそうだと思いますが)『談合摘発』を主導したのがアメリカの(戦略的)情報網だったことを指摘しています。『関係者から情報を集めて、日本政府に突きつけた』そうです。今の官製談合問題の裏にもアメリカ有、、て気がしています。

こめんと、TB、沢山過ぎて済みません。

Rental - FC2 Blog /  SKIN - ふたつの頬花

FC2Ad

 /   

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。