耐震偽装と報道責任

 - 本当のことが知りたいんで...耐震偽装と報道責任にタックルしちゃおうかな、と
 
 

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■□ 「検査を省略してもいいと定めたのは国」(野辺公一編著『耐震偽装』)

ここ数日、このBlogは耐震偽装関係の書籍の書評欄となっている感がありますが、今日もその路線です。

なにしろ、このテーマには、まったく無知だったので、とにかく、ネットやら、書籍やら、新聞やら、雑誌やらで、情報収集をかき集め、読みながら日記を綴る今日この頃です。

野辺公一編著『耐震偽装』(雲母書房)

さて今日のご紹介はこれです。

野辺公一編著『耐震偽装―安全なマンションに暮らしたい』(雲母書房)。2006年3月13日。1680円。

なお、野辺公一さんは、SAREXの専務理事とのことです。「SAREXとは??」というわけで、検索してみました。「住環境価値向上事業協同組合」だそうです。では、「住環境価値向上事業協同組合とは??」。詳細は、書籍の紹介とあわせてここがGOODです。
http://sarex.exblog.jp/3062892/

SAREX事務局Blog曰く:「本書はSAREXコラボレーターの岩下繁昭氏、蟹澤宏剛氏、SAREXメンバーの長森延久氏の他、次回公開講座の講師をしていただく山辺構造設計事務所の山辺豊彦氏などSAREXと関わりの深い専門家たちが集結し、耐震偽装問題を徹底解明!」

執筆陣はこんな感じです。

秋野卓生(弁護士),岩下繁昭(住宅産業アナリスト),蟹澤宏剛(芝浦工業大学助教授), 殿岡秀秋(不動産評論家), 長森延久(長森建設代表), 椋茂廣(椋一級建築士事務所代表), 村井忠夫(マンション管理評論家), and 山辺豊彦(山辺構造設計事務所代表).

さて、興味のある方は、本屋さんにダッシュしていただくとして、今日は、不動産評論家の殿岡秀秋さんの担当された第7章の「ローコストへの誘惑」のPp.132-133からご紹介します。なお、この本の各章の紹介はここにあります。http://www.kirara-s.co.jp/first/second/book_html/4876721920.htm

「検査を省略してもいいと定めたのは国であり、民間検査機関は国の指示どおりに実施していたただけだ。」

[引用開始]

虚をつかれた国のシステム

国土交通省で調べたところ、構造計算用のコンピュータプログラム106種類すべてでデータの改ざんが可能であるという。同省建築指導課「『性善説』を前提に制度を使ってきた。こうした偽装に現在, 防止策はとられていない」としている。

国交省認定プログラムを使った書類が申請書に添付されていると、検査機関は途中の審査を省略できる。だが審査を省略すると書類の数値改ざんに気づくのは困難であるという(05年12月13日朝日)。

なぜイーホームズがいい加減に検査していないといい張るのかが、これでわかる。国が国交相認定のプログラムを使った計算は審査を省略できると定めているから省略したまでだ、というわけだ。

国交省は「性善説」に立っているからというが、この仕組みを悪用されたことは確かだ。だから「行政責任なしとはしない」(北側国交相)という見解になり、公的支援が早々と打ち出されたのだ。

民間検査機関が単に検査を怠ったというのであれば、国交省の対応も違ったものになっていただろう。検査を省略してもいいと定めたのは国であり、民間検査機関は国の指示どおりに実施していたただけだ。まさに、「国の制度の虚を突かれた」かっこうだ。

[引用終了]

マリーシア(?)の罠にハマり、ゴールを大量に決められた国交省認定ディフェンス陣

まとめると、こんな感じでしょうか。。。

(1)そもそも、建築に関わる人は「みんな良い人」という前提が国にはあった。

(2)実は、構造計算用の国交省認定プログラムはデータの改ざんが可能だったんだけど、(1)の前提があるんで、まさか、悪用する人がいるなんて思いもしなかった。

(3)そんなわけで、データの改ざんは可能なまま時だった。

(4)国は、プログラム悪用なんて思いもよらなかったんで、「国交省認定プログラムを使って計算したんです」という書類が申請書に添付されてたら、「途中の審査を省略してもオーケーだよ」と、国は、イーホームズなどの民間検査機関などに指示してた。

(5)イーホームズをはじめとする検査機関は、当然、国の指示に従う。

(6)残念ながら国の見通しは甘かった。つまり、構造計算をしたすべての建築士が「良い人」じゃあなかった。

(7)少なくとも一人の建築士が「あれ、こうして、こうして、こうすれば、合格の数字が出てきちゃうぞ、このプログラム。えーい、時間もないし、これで出しちゃえ」と偽装した構造計算書を提出したら、案の定、審査通っちゃった・・・・

(8)かくて、その後も、性善説に頼ったディフェンダー陣は、マリーシア(?)溢れる「悪い人たち」に、やすやすと審査の裏をとられ、確認済み証というゴールを大量に献上。その結果、危険なマンションやホテルが続々と建設される事態が発生した。


2006年1月6日の藤田見解「現行法のもとでは法的責任はないと思っている」の論理精度は高い。


うーん。。。。

やはり、こうやって説明されると、以下の2006年1月6日付けの読売新聞記事の藤田さんの主張が、良く、理解できます。

[引用開始]

自民チーム、イーホームズ社長らからヒアリング実施

自民党の耐震偽装問題対策検討ワーキングチーム(座長・早川忠孝衆院議員)は6日、衆院議員会館で、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」の藤田東吾社長らからヒアリングを実施した。

藤田社長は、偽装問題の原因について「(構造計算用の)国土交通相認定のプログラムの不備に原因があった。簡単に改ざんできるものを認定したのが悪い」と主張した。

同社の責任については、「現行法のもとでは法的責任はないと思っている」と強調した。また、現行の検査確認制度の見直しも求めた。

[引用終了]

枝葉末節ですけど、もし藤田さんに問題があるとしたら、それは発言内容ではなく言葉の用法にあるかなあ、と言う気がします。

つまり「悪い」という単語。

ここは、決まり文句とはいえ、「簡単に改ざんできるものを認定したのが悪い」ではなくて、「簡単に改ざんできるものを認定したのはいかん」が適切な言葉の用法か、と。。。

さて、正しい理解に照らすと、次に紹介する2005年11月24日付けの読売新聞記事には、今となっては、いろいろと疑問が発生しちゃいますね。

問題点と思ったとこに下線を引いて引用します。

[引用開始]

国交省、検査機関「イーホームズ」を立ち入り検査へ

国土交通省は24日、構造計算書の偽造を見逃した民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)を立ち入り検査する。

同社は、2003年2月から05年10月にかけて、姉歯事務所が構造計算を請け負ったマンションやホテルの建築確認を行った際、必要な検査を省略したほか、建築基準法に適合していれば書類に印字されていたはずの認定番号がないことを見落としていた。国交省への「見落とし」の報告でもずさんな点が明らかになっており、同省では、同社の審査状況に問題があったとして業務内容を詳しく調べる。

[引用終了]

特に、「建築基準法に適合していれば書類に印字されていたはずの認定番号がないことを見落としていた。」は、藤田さんの主張によると、「とんでもない」ということのようですが、まだ良く理解してないので、今日は省略させてください。

ここは「無過失責任主義」に思いを馳せるべきかなあ、と

さて、確認検査機関には法的責任なし、となると、この責任はどこへもっていけばいいんでしょうか。やっぱり、国が悪いんでしょうか??

かなりの方々がこうおっしゃるように思います。

国が悪いに決まってる!!
国に法的責任なしなんてありえん!!

でも管理人はこう感じます。

国が性善説を取ってたことが過失だとするのは酷かもなあ、と。
国に法的過失があるとまでは言えないんじゃないかなあ、と。

でも、現実問題として、深刻な被害が発生しています。法的責任はないとしても、これを放置せず、なんとかするのが国の役割かなあ、と。こうなるとなると、国民が、「こりゃ無過失責任主義でいくしかないか・・・」と心を決めるしかない気がしちゃうんですよねぇ。

もちろん、(1)きちんとした原因究明とその開示, (2)少なくとも同じ失敗は繰り返さずにすむような、ちゃんとした審査システムの再構築の2点は譲れませんけど。
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2006.11/29(水) |  未分類  | Comment(1)  []

 
 

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From : 建つ三介 #- / URL -  2006.11・29  [edit]

英語では malice 「悪意」、マリーシアは「ラテン語」辺りかな?

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