耐震偽装と報道責任

 - 本当のことが知りたいんで...耐震偽装と報道責任にタックルしちゃおうかな、と
 
 

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■□ UR都市機構理事長ら 厳重注意処分 2006.11.29付で

昨日の深夜、「2006年2月13日の衆院予算委員会の映像ってネットにないかなあ」とググってたら、気になるフレーズが目にとまりました。

「都市再生機構理事長に厳重注意、マンションの耐震強度不足(21:00)」(日経ネット, 2006.11.29,21:00)

国土交通相 URの理事長を厳重注意「社会的信用を失墜させた」2006.11.29付けで

日経ネットの記事から抜粋して引用します。

[引用開始]

都市再生機構理事長に厳重注意、マンションの耐震強度不足

都市再生機構(旧住宅・都市整備公団)が1989年に分譲した東京都八王子市のマンションの耐震強度が不足していた問題で、冬柴鉄三国土交通相は29日、「社会的信用を失墜させた」として同機構の小野邦久理事長を文書で厳重注意した。同機構は当時の本社技術監理部長ら3人を訓告、担当理事ら6人を文書による厳重注意とする処分を発表した。

・・・・・・・・

同機構はこの日、内部調査結果を発表した。当初の構造計算だけでなく、住民側の求めで行った再計算、再々計算にも誤りがあった点について、(1)複数の専門家がチェックする体制が確立されていなかった(2)責任体制が不明確で組織的な対応が不十分だった――などの原因を挙げた。また、管理組合に十分説明する努力が欠けていたとした。 (21:00)

[引用終了]

全文はここ:http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1G2902U%2029112006&g=K1&d=20061129

さすが読売新聞 「都市機構、構造計算の誤り隠ぺい…理事長ら10人処分」と報道 GOOD JOB

さっそく、Googleのニュースで検索しました。抜粋して引用します。

[引用開始]

・読売新聞 都市機構、構造計算の誤り隠ぺい…理事長ら10人処分
 
・東京新聞 都市再生機構に厳重注意 構造計算書でミス繰り返し
 
・日本経済新聞 都市再生機構理事長に厳重注意、マンションの耐震強度不足
 
・朝日新聞 都市機構理事長に今年3度目の処分 欠陥マンション

[引用終了]

各メディア間の違いを比較してみましょう。

まず、読売新聞です。

がんばってます!!!
気合いはいってます!!!

背景事情や事件の重大性についてきちんと報道。ジャーナリズムの真骨頂。これぞ調査報道という感じです。

管理組合理事長「機構が基準を満たすために恣意(しい)的に数値を操作したのは明らか。問題部分を修正した計算書まで作っていたとは驚きだ」


[引用開始]

独立行政法人・都市再生機構(旧都市基盤整備公団)が分譲した東京都八王子市のマンションの耐震強度が不足していた問題で、機構は29日、内部調査結果を発表し、同マンションの構造計算書に誤りがあることを一昨年から認識し、問題部分を修正した別の計算書を昨年6月に作成していたことを明らかにした。

しかし、住民らに対しては「問題はない」と虚偽の説明をしていた。

調査結果を受け、国土交通省が29日、小野邦久・理事長を冬柴国交相による文書厳重注意処分としたほか、機構も小野理事長と村山邦彦理事を給与10%の辞退2か月とするなど幹部計10人を処分した。

この問題では、2002年にマンション(6階、19戸)の住民から構造計算書の提示を求められた機構が、「紛失した」としたうえで、03年に再計算書と再々計算書を相次いで作成。住民の依頼で専門機関が再々計算書などを分析した結果、鉄筋量を過大評価するなど不審点が見つかった。

内部調査結果によると、マンションは1988年の当初設計段階から強度が不足しており、再計算書、再々計算書にも壁の強度を過大評価するなど5種類の誤りがあった。

機構から再計算を委託されたのは、機構OBが社長を務め、当初設計も手掛けた日匠設計(東京都新宿区)だが、同社は再計算の際、機構の担当者と相談するなどして、通常の設計では全く採用していない不適切な方法で計算していた。

住民の指摘で機構側は04年6月以降、誤りを認識。再計算書、再々計算書とは別に、強度を上げるためにスリット(切れ目)を入れるなどして問題部分を修正した新たな計算書を05年6月に作成した。しかし、住民や報道機関に対しては、そうした事実を隠したまま、「見解の相違や単純ミスはあるが問題はない」などと説明していた。

小野理事長が国交相による文書厳重注意処分を受けたのは今回で3回目。問題のマンションの高林賢治・管理組合理事長は「機構が基準を満たすために恣意(しい)的に数値を操作したのは明らか。問題部分を修正した計算書まで作っていたとは驚きだ」と話している。

(2006年11月30日1時49分 読売新聞)

[引用終了]
全文はここです。http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061129it15.htm?from=top
以上、読売新聞のGOOD JOB!!!でした。

東京新聞と朝日新聞は事実関係のみ報じる 今後の報道に期待

次は、東京新聞です。共同から配信を受けたようです。

ほとんど事実関係しか報道していません。これでは、背景事情や重大性がわかんないでしょうね。もし『マンション崩壊~あなたの街が廃墟になる日』(山岡淳一郎,日経BP社)読んでなかったら、絶対に、スルーしちゃってました。

なお、詳細について知りたい方は、とりあえず、一昨日の拙Blog日記「UR都市機構の構造計算書「紛失」は本当か?」をどうぞ

[引用開始]

都市再生機構に厳重注意 構造計算書でミス繰り返し

都市再生機構(旧都市基盤整備公団)が東京八王子市の分譲マンション2棟の構造計算書を紛失した上、計算書の再計算でもミスを繰り返していた問題で冬柴鉄三国土交通相は29日、機構の小野邦久理事長に文書で厳重注意するとともに、住民への適切な対応と再発防止策を求めた。

機構は同日、構造計算についてのチェック態勢の不備などを認め、小野理事長と担当理事の2人を2カ月、10%の給与辞退、関係職員8人を訓告や厳重注意とする処分を発表した。

このマンションは1990年前後に八王子市で同機構が建設。機構は構造計算書の紛失、再計算のミスに加え、うち1棟は耐震強度が不足していたにもかかわらず、10月まで認めなかった。マンションの管理組合は「依然としてきちんとした対応がされていない状況が続いている」として機構に善処を求めている。

同機構への文書による厳重注意は、大阪府和泉市の造成工事に絡んで職員が廃棄物処理法違反の罪で起訴された事件と、全国各地で起きた構造計算書の大量紛失問題に続き今年3回目。

(共同)
(2006年11月29日 21時05分)

[引用終了]

全文はここ:http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006112901000639.html

朝日新聞の2006年11月29日20時00分掲載は第一報のようです。しかし、内容は、ほとんど事実関係のみでした。全文引用します。

[引用開始]

都市機構理事長に今年3度目の処分 欠陥マンションで

独立行政法人・都市再生機構が旧公団時代の89~92年度に分譲した東京都八王子市の欠陥マンション問題で、同機構が構造計算書を紛失した2棟に設計ミスと2度にわたる再計算の誤りがあったとして、冬柴国土交通相は29日、同機構の小野邦久理事長を文書による厳重注意処分とした。

小野理事長への文書厳重注意処分は、大阪府和泉市の造成地での不法投棄事件(2月)と分譲マンションの構造計算書の大量紛失(5月)に続き、今年3度目。

同機構は同日、再発防止策として、新築の全物件に対する第三者チェックや構造計算チェックリストを新たに導入することを明らかにした。

今回の問題で、同機構は小野理事長を給与10%の辞退2カ月、技術管理担当理事を文書厳重注意と同辞退2カ月とするなど計10人を処分した。

[引用終了]

全文はここ:http://www.asahi.com/national/update/1129/TKY200611290338.html

いかがでしょうか。

朝日新聞の記事からは、背景事情や事件の重大性が読者に全く伝わらないように思います。でも、ここで、朝日新聞は広報紙か、と決めつけるのは時期尚早です。なぜなら、この記事は迅速性を重視したもので、後で、腰を据えた記事を書くということかもしれません。期待しましょう。

とりあえず、現時点での評価はこんな感じでしょうか。。。。

読売新聞 > 日本経済新聞 >>>> 東京新聞 > 朝日新聞


構造計算の合格点ゲットのテクニックは学生時代の単位ゲットのそれに酷似かも。。。


ところで、国土交通省とUR都市機構はこの処分をどんなふうに発表したんでしょうか??
さっそく、UR都市機構HPと国土交通省HPにアクセスしてみました。

まず、UR都市機構HPの「記者発表」です。ここ:http://www.ur-net.go.jp/press/
あります。あります。しかも、関連も含めると4つあります。

(1) 11月29日「機構の分譲住宅の不適切な事案に係る措置について」(pdf)
(2) 11月29日「機構の分譲住宅に係る不適切な事案の調査結果等について」(pdf)
(3) 10月11日「機構の分譲住宅に係るJSCAの構造計算結果について」(pdf)
(4) 5月23日 「機構分譲住宅についての構造計算書の紛失に係る措置について」(pdf)

印刷してみましたけど、(3)は、専門的すぎてかなり大変です。でも、ポイントはこんなかんじでしょうか。

「構造計算の方法はいろいろあって、ある方法では不合点になっても、別の方法なら、合法的に合格点をとることが可能」。

うーむ。これは、なんと言っていいのか、困っちゃいますよねえ。
学生時代を思い出しました。

物理学の単位。A先生は単位認定が厳しいことで有名。一方、B先生はかなり楽勝。どっちの授業をとってもOK。取得単位数も全く一緒。で、この単位は必須科目。もし取れなかったら留年必至。一方、就職先からは内定ゲット。

管理人なら、いかんではありますけど、やっぱり、A先生の授業をとります。

話が脱線しちゃいました。(1)から少し引用しておきます。

「再作成した構造計算書に工学上の判断として不適切なもの及び誤りがあったことを等を厳しく受け止め」(UR都市機構)

[引用開始]

機構の分譲住宅の不適切な事案に係る措置に突いて

1 UR都市機構におきましては、機構の分譲住宅に係る不適切な事案について調査を行ったところですが、再作成した構造計算書に工学上の判断として不適切なもの及び誤りがあったことを等を厳しく受け止め、本日付けで次のとおり関係者の処分を行いました。

・・・・・・

2 居住者の皆様に瑕疵物件を販売した上、二度にわたり提出した再計算で結果的に不適切な見解をお伝えしていたことにつきまして、誠に申し訳ないことと考えております。また、本件により機構の住宅に対する信頼を裏切ることとなり、誠に遺憾なことと考えております。

[引用終了]

さて、次は、国土交通省HPです。
場所は「報道・広報」の「報道発表資料」にありました。

つまり、これです。

「H18.11.29 独立行政法人都市再生機構(旧公団)の分譲住宅の不適切な事案に係る措置について」です。http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/07/071129_.html

以下に全文引用します。

「今般、当初設計に瑕疵があったこと及び二度にわたって不適切な構造計算書を再作成していたことが第三者(JSCA)の検証により明らかになった」(国土交通省)

[引用開始]

独立行政法人都市再生機構(旧公団)の分譲住宅の不適切な事案に係る措置について

平成18年11月29日
<問い合わせ先>
住宅局総務課
民間事業支援調整室
(内線39151、39153)

TEL:03-5253-8111(代表)

独立行政法人都市再生機構理事長に対する措置

都市再生機構(旧公団)が平成元年度から平成4年度に分譲した地区の住宅の一部において、工事上の瑕疵に加え、設計に関して不適切な事案があったことが判明した。

当該分譲住宅については、コンクリートやモルタルの充填不足等構造上あるいは生活上重大な影響を及ぼす施工不良があった住宅を供給したことで、平成15年6月に、国土交通大臣から「文書厳重注意」を受けたところである。

その後、保存を要する分譲住宅の構造計算書を紛失していたため、当該構造計算書を再作成したところであるが、今般、当初設計に瑕疵があったこと及び二度にわたって不適切な構造計算書を再作成していたことが第三者(JSCA)の検証により明らかになったものである。

このことにより、同機構の社会的信用の失墜を招いたことは誠に遺憾であるとして、国土交通大臣は、今後かかる事態が発生しないよう、また適切かつ早急な対応を行うなど、一層の努力を求め、都市再生機構の代表者である 理事長 小野 邦久に対し、「文書厳重注意」の措置を行った。

お住まいの皆様のプライバシーや個人財産の保護の観点から団地名は伏せさせていただいております。ご了承下さい。
 
[引用終了]

さて、今日のBlogを書くのに使った時間は約二時間。

ほんとは、UR都市機構HPと国土交通省HPに掲載された資料を全部読んでいろいろ考えたり、図書館に行ってあれこれ調べたりすると、まだまだ書けそうですけど、仕事もあるのでなかなかそうはいきません。。。

とりいそぎ。
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2006.11/30(木) |  未分類  | Comment(3)  []

 
 

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■□ リンクさせていただきました。

From : TOM #- / URL -  2006.12・01  [edit]

わかりやすい記述で大変理解しやすかったです。私のブログにリンクさせていただきました。

■□ 読売のが良い報道かどうか?!

From : 建つ三介 #- / URL -  2006.12・01  [edit]

>読売新聞 > 日本経済新聞 >>>> 東京新聞 > 朝日新聞
という評価、どうかな?と思います。
今晩は。
今事件既に300億円つぎ込まれ、さらに2-300億円追加支出しようという事件ですよ。
らくちんランプさんの所で、保坂議員のブログ貼った通り。
http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/4590231.html#comments

いかにも「厳しい処分をした」かのように「報道」するのが良い報道かどうか?! ちょっと疑問ですね。

住民の方の努力が報われつつあるのは、喜ばしいけど、設計・監理・施工とつるんだ役人の処分としては「甘すぎる」気がしますが、・・。

誤魔化すために「スリット」があったことにしたわけでしょ。そうすれば、耐震判定の必要保有水平力(分母の方)を小さく出来るんですよ。純ラーメン構造に近付いて、「靭性」が増す扱い[=粘り強い建物って言うこと]に出来る。

これって、公文書偽造じゃないの。

しかも実際の建物もコンクリートはスカスカ、シャブ・コンの成れの果てです(保坂さんは国会質問の時、軽石みたいな現物を、見せてましたよ)。
この程度の処分で、5-600億円も「尻拭い」させていいのかな?と思います。姉歯事件の被害者と比して、落差が大きすぎる。

■□ 世界報道自由ランキング51位

From : 管理人 #- / URL -  2006.12・03  [edit]

こんにちは。

背景事情に触れない他誌や一行も報道しない他誌に比べると、やはり、上記のような関係にあるんでは、と思うんですよね・・・・。

もちろん、読売新聞の報道に加えて、今回の処分が、「00億円つぎ込まれ、さらに2-300億円」で、「施工業者から回収できたのは1割」でしたっけ、という状況に見合うのか否か、を解説する日刊紙があれば素晴らしいなあ、と思います。

でも、それは、例えば、サッカーで日本にブラジル並みのプレーを夢見るようなものかなあ、とも感じるんですよね。

もちろん、いつか、そうなる日が来るといいな、と願っていますけど。

ちなみに、FIFAランキングで、198カ国中日本は47位です。もちろん、ブラジルは1位(2006.11現在)。一方、国境なき記者団の世界報道自由ランキングで、日本は、168カ国中51位です(2006年)。

サッカーにしろ、ジャーナリズムにしろ、その国のレベルを左右するのは、畢竟、市民一人一人のレベルなんでしょうね・・・もし、ベストテン入りできたら・・・まさに、もって瞑すべし・・・ですよねえ。

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