耐震偽装と報道責任

 - 本当のことが知りたいんで...耐震偽装と報道責任にタックルしちゃおうかな、と
 
 

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■□ アパホテル強度不足?? 大阪市発表 水落物件

大阪市、アパグループの「アパホテル天王寺駅前」は耐震強度不足と発表 2007.02.14

2007年2月14日。大阪市は、アパグループの「アパホテル天王寺駅前」(大阪市)で耐震強度不足が確認されたと発表しました。このホテルは田村水落設計の水落光男1級建築士 (構造建築士でもある)が構造設計を担当した物件です。

時事通信社は以下のように報道しています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2007021400380

[引用開始]
アパホテル1棟で耐震強度不足=水落建築士が設計-大阪市発表

大阪市は14日、「アパホテル天王寺駅前」(同市阿倍野区)で耐震強度不足が確認されたと発表した。田村水落設計の水落光男1級建築士が構造設計を担当しており、2本の梁(はり)の強度が建築基準法上の基準の7割程度しか確保されていなかった。

市は同日、国土交通省に報告するとともに、建築主のアパマンションに対し是正計画の提出を指示した。「構造計算書などの資料を見る限り、故意や悪意は感じられなかった」として、偽装ではないとしている。
[引用終了]

ここで、注目していただきたいのは「耐震偽装」や「耐震偽造」というの言葉ではなく「耐震強度不足」としている点です(大阪市の「故意や悪意は感じられなかった」という心証を反映したものと思われます)。以下の新聞社も、これらの言葉を使っていません。もっとも詳しく報じていると思われた朝日新聞の記事から抜粋引用します。

「アパホテル「天王寺駅前」も強度不足…大阪市が発表」(読売新聞, 07.2.14)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070214p402.htm

「大阪市のホテルではりの強度不足」(KNB, 07.2.14)
http://www2.knb.ne.jp/news/20070214_10296.htm

「アパホテル、大阪市内でも耐震強度不足」(朝日新聞, 07.2.14)
http://www.asahi.com/national/update/0214/OSK200702140008.html

[引用開始]
市によると、強度不足が見つかったのは同ホテル2階にある鉄骨コンクリート製の大型の梁(はり)2本。市が再計算したところ、震度5強程度の中規模地震で損傷しないことを定めた建築基準法に照らして必要な強度の66%しかないことが判明した。特に接合部が弱く、市側は「建物全体を支える重要な梁だが、中規模地震で大きな損傷を受ける恐れもある」と指摘している。

市の事情聴取に対し、水落氏は計算ミスを認めたが、強度不足は否定し、資料や参考文献を示して反論していた。市住宅局の担当者は「矛盾点に対して納得できる回答が少なかった。もっと注意深く設計すれば、強度不足は防げたはずだ」と説明。ただ、偽装の有無については「計算に誤りは多いが、悪意は見あたらず、偽装でないと考えている」としている。水落氏が手がけた同市内のアパグループのマンションは調査の結果、「問題なし」と判断した。

同ホテルは05年5月、民間検査会社の日本ERIが建築確認し、06年8月に開業。同グループは耐震偽装問題を受けて3月から営業を停止する予定だったが、この日、急きょ休業を決めた。

水落建築士は14日、報道各社の取材に対し、「確認申請当時の構造計算ソフトでは問題がなかったが、更新したソフトで改めて計算すると問題が生じた。ただ、施工時に設計より強いコンクリートなどを使っており、強度は十分と考えている」と話した。

[引用終了]

毎日新聞だけ 見だしに「耐震偽造」を入れて報道


さらに検索してみました。【共同通信】 【日テレNEWS24】 【日本経済新聞】など、やはり、調べた限りでは、「耐震偽装」や「耐震偽造」と言う言葉は使っていません。一方、毎日新聞は、「耐震偽造」という言葉を見だしに入れています。

「<耐震偽造>大阪「アパホテル天王寺駅前」も強度不足」(毎日新聞, 2007.2.14)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070214-00000031-mai-soci

ただし、本文を読むと、「耐震偽造」という言葉はなく、「マンションには強度不足はなかったが、同ホテルの2階の梁(はり)2カ所で地震の際の水平耐力が、必要とされる強度の約70%しかなかった。」となっています。

毎日新聞の見だしやいくつかの新聞の「しか」という言葉は、なにかしらの予断を与えてしまう可能性を否定できないのではないでしょうか?? 試しに、本Blogの小見だしを「毎日新聞だけ」としてみましたが、やはり、これはちょっといただけません。「毎日新聞は」で十分と思われます。

閑話休題

今回のアパホテルの耐震強度不足についてのニュースと報道について以下にまとめます。

「アパホテル天王寺駅前」の耐震偽装疑惑について、「耐震偽装なし」という点では、大阪市と水落一級建築士の見解は一致した。しかし、大阪市の工学上の指摘「強度不足あり」という点については、水落一級建築士は反論している。一方、アパグルーブは大阪市の指摘を受け入れて営業停止と補強工事の実施を決定した。ということで、補強工事が適切に施行された場合は、再営業開始後のこのホテルは「非常に安全性の高いホテル」としての地位を得ることになる。

なお、上記のニュースについて、毎日新聞は見だしに「耐震偽造」という文言を載せた。この言葉は、ともすれば、意図的に改ざんしたというイメージを想起しがちである。よって見だしにこの言葉があるのは不適切と思われる。

なお、KNBには、少し工学上の論点が載っていました。以下に引用します。このニュースには動画もあるようです。
http://www2.knb.ne.jp/news/20070214_10296.htm

[引用開始]
強度不足の理由について大阪市は完成した建物の荷重を20%ほど軽く見積もり、実際の荷重に応じた設計がなされていないためと説明しています。

これに対し、水落建築士は「行政の判断は残念だが、強度が70%しかないとかそういう建物ではない。」と反論しています。
[引用終了]

アパ公式発表 「一部見解の相違があるものの、・・・安全側に立って大阪市の判断を受け入れたい」

さて、この件について、アパグループはどのように発表したのでしょうか。以下にアパグループHPに2007.02.14付けで掲載されたpdfファイル「大阪市内2物件の検証結果について」を転載しておきます。

大阪市内2物件の検証結果について【07.2.14】pdf
http://www.apa.co.jp/

[転載開始]
各位

大阪市内2 物件の検証結果について

この度の耐震強度不足問題で、皆様には多大なるご心配、ご迷惑をおかけしております
ことを、改めて深くお詫び申し上げます。

平成19 年1 月25 日の京都2 ホテルの検証結果を受け、弊社は、自主的に水落建築士が
構造計算を行った大阪市内2 物件(ホテル・マンション各1棟)の検証を進め、必要な資
料を2 月9 日に大阪市へ提出いたしました。それを受けて、本日、大阪市より調査結果の
報告をいただきました。

アパホテル〈天王寺駅前〉につきましては、大規模地震時の保有水平耐力は法定の値を
満足している(大規模地震時に倒壊の恐れはない)ものの、2 階の2 箇所の梁において建築
基準法の要求する強度に満たない部材があるとの報告を受けました。一部見解の相違があ
るものの、弊社と致しましては、安全側に立って大阪市の判断を受け入れたいと考えてお
ります。つきましては、当初は2 月28 日の宿泊分をもって営業を休止することといたして
おりましたが、補強工事実施の為、すみやかに営業を休止いたします。

2 月中ご予約のお客様には、アパグループの他のホテルへの宿泊をご案内させていただく
とともに、代金は弊社で負担させていただきます。

なお、大阪市内のマンション(1 棟)につきましては、法定の耐震強度を満たしており、
建築基準法に適合している事が確認されました。入居者の皆様には大変なご心配をおかけ
いたしましたことをここにお詫び申し上げます。

皆様には大変なご心配とご迷惑をおかけしており、誠に申し訳ありませんが、問題の早
期解決のため全社をあげて取り組んでまいりますので、ご理解賜りますよう、宜しくお願
い申し上げます。

平成19 年2 月14 日
アパグループ
代表元谷外志雄
[転載終了]

さらに興味のある方は、上記HPには以下のpdfもあります。
http://www.apa.co.jp/

水落構造設計士の担当物件について(更新)【07.2.2】

それにしても、ほんとうに、情報をゲットしやすい時代がやってきたなあ、と、今日も、実感しています。もちろん、このことは、裏を返せば、各人の情報収集力や選別能力が問われる時代であることを意味するのですが。。。。

がんばりましょう。

上記の日記が参考になった方へ。
以下のurlのクリック。どうかよろしくお願いします!!




『正直者・藤田東吾をdietへ』に参加する

http://groups.yahoo.co.jp/group/togotodiet/
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2007.02/15(木) |  未分類  | Comment(3)  []

 
 

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From : サリー #02HQFJ0M / URL -  2007.02・15  [edit]

>建物の荷重を20%ほど軽く見積もり
20%って多いですね。
cmをm(100を1)で、NをkN(1000を1)で入力でもしないとそうならないのでは?
よく2箇所のみNGで済んだものですね。
水落氏に間違いがあったのなら謝って欲しい、「問題ない」だけでは信用できないな。

■□ 水落建築士の嘘

From : スパイラルドラゴン #- / URL -  2007.02・15  [edit]

私のブログのコメント欄に、大阪の件で水落建築士の発言の矛盾点を明快に暴いたコメントが寄せられましたので、以下に紹介します。

>水落建築士は14日、報道各社の取材に対し、「確認申請当時の構造計算ソフトでは問題がなかったが、更新したソフトで改めて計算すると問題が生じた。ただ、施工時に設計より強いコンクリートなどを使っており、強度は十分と考えている」と話した。

この台詞はごまかしでしかありません。
 コンクリートを打設するとき、強度はたしかに設計強度+品質管理強度+温度補正(一般的なコンクリート強度(Fc=21+3+(温度補正3or6))という具合に施工時の強度は設計時より強いです。
 しかし、コンクリートの強度を上げるということは、圧縮強度を上げるだけで、引張りに対しての強度は殆ど関係ありません。引っ張りに対しては鉄筋が負担しているからです。
 RC造の強度を考えるとき、コンクリートの断面積及び鉄筋量及び配筋状況も考慮しなければ本当の強度は分かりません。

■□ 解答がいただけました。

From : 管理人 #- / URL -  2007.02・15  [edit]

サリーさん、スパイラルさん、こんばんは。

お二人の書き込みは、かなり専門的でしたので、僕の能力の範疇を超えると考え、最近読み始めたBlog『ブロ愚 ~おろか日記 blog style~』さんにお願いしてみたら、迅速&丁寧&明快なご回答が掲載されていました。

ぜひ以下をご一読下さい。以下です。

「アパホテル天王寺駅前:続報」
http://radcliffe.at.webry.info/200702/article_23.html

なお、現在、ぼくは、このBlogで勉強させていただいています。

Rental - FC2 Blog /  SKIN - ふたつの頬花

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